現地で死亡。どこに届出が必要か?


私の場合は残念なことに母が死亡してしまいました。しかも私のケースでは母親を殺害して、架空の借用書で私を
負債者に仕立て上げようとする計画殺人であったので、手続きは難航を極めました。なぜなら私をあっさりと帰国
させては全く意味が無いのです。その嫌がらせの手順も含めてご紹介します。そしてこのような惨劇が再び起きる
ことのないように切望してやみません。


まずは死亡診断書ではない。葬儀屋なのだ

もちろん国によって順番も変わるでしょう。この場合はフィリピンの例で説明します。

フィリピンの病院には霊安室というのがありません。よって死亡すると即座に病院外に運ばれます。ただそのまま自
宅や斎場に運ばれるのではありません。まずは葬儀社の処理室に運ばれます。そして防腐処理を施されます。

日本でも夏場にはドライアイス等で防腐処理をする場合がありますが、葬儀の制度の違いで、フィリピンは死亡してか
ら埋葬まで1週間から10日は葬式を続けます。よってまずは防腐処理なのです。これは1週間用で3500ペソ。また
私の場合は親の借金を払わない罪という難癖を付けられ、警察に捕まりましたので自宅での葬儀ができませんでし
た。よって安置所を1日500ペソで借りました。これが2日で1000ペソの出費でした。

さらに高価だったのが棺桶です。フィリピンは一般的に土葬です。よってものすごく立派で、金属製のものもたくさん
あります。これが最低でも16000ペソします。私は持ち合わせが少なかったので節約したかったのですが、母の最後
の式ですので、25000ペソのものを買いました。潔白を示す純白の棺を買いました。


次に死亡診断書

これも腑に落ちない制度なのですが、死亡した日には死亡診断書は発行されません。日本でも死亡から24時間以内
は火葬できないという決まりはあるのですが、フィリピンの場合は死亡後すぐに防腐剤を打ちまくるので生き返るはず
がありません。でも規則ですから仕方ありません。

それと入院費を払わないと診断書は出ないので、まず会計で清算を済ませてください。私の場合、診断書は無料でし
た。入院費は3日個室利用で7000ペソ(薬代込み)でしたね。

外国人でも市役所に届出が必要です

これが実に厄介な制度。母の場合は外国人登録をしていたので当然といえばそうですが、旅行者の場合でも必要
なのです。なぜならこれが無いと、遺体を市外に運ぶことができないのです。正式な流れは、死亡届→警察の証明→
保健所の証明→市役所の搬送許可 の順番です。また搬送許可を受けるのに搬送場所を正確に記入しなければ
いけません。私の場合はマニラの火葬場のある市の名前を書いたのですが、火葬場に到着したら、これでは火葬
許可証が作れないといわれ、再び田舎まで片道6時間かけて行くハメになりました。

火葬場の場所とかがわからなければ、日本大使館に聞けば教えてくれます。またボッタくられないように値段の交渉
までしてくれます。マニラでは大使館御用達の火葬場が2ヵ所あるそうです。


警察の証明と保健所の証明

これは普通なら簡単に取れるはずです。ようするに警察は事件性があり、遺体を検死する必要があるといった場合に
証明を保留するのですが、私の場合は警察ぐるみで私に私の名前で金銭貸借契約を結ばせようとしたので、これを
逆手に取られました。私の場合は日本大使館の下請けボランティアみたいなトラブル処理屋さんを知っていたので、
丸2日粘って、「払うように努力はします。払う期日や金額は未定です」という内容の契約書を作成して債権者と
名乗る人々と妥協しました。

ただこれは日本大使館の影が見え隠れしたうえに、相手も田舎詐欺師ですからこれで済んだと思います。現実として
大使館は民事トラブルには干渉しないという大原則があるので、こういう事態に関しては助けてくれません。

絶対に相手は、「いつまでにいくら払うか」をしつこく約束させようとします。どうしても逃げ切れない場合でしたら、私は
「○○太郎の相続人がいくらいくら払います」という契約書でも作り、最後のサインの部分に「息子・○○次郎」などと
書き、帰国後に相続放棄手続きを取るのが懸命ではないでしょうか?ただこれは、故人に財産が無いと仮定しての
裏技です。財産のある場合は、日本大使館に頼んで弁護士を紹介してもらうしかないでしょう。また、生命保険は親
の財産ではありませんから、相続放棄してももらえますよ。

それに伴い、出発前に準備するするもの の中に携帯電話と書きましたが、これは絶対に必要になります。なぜなら
フィリピンの警察は予算が少なく、電話の無い警察署など珍しくありません。警察官は個人で携帯電話を買って使用
していることが多く、自分に不利な事項に関して、自分の携帯など絶対に貸してくれません。

さて、長くなりましたが、こういう稀なことでも起きない限りは警察の許可などすぐにもらえます。たとえ殺人であろうと
も、普通の殺人は射殺や刺殺などの解剖するまでもない殺され方をするからです。

また保健所では伝染病を持っていたかをチェックするだけなので、病院の死亡診断書に伝染病の記載でもされてい
なければ簡単に証明書をもらえます。こういう発行手数料は無料ですが、通常100ペソぐらいのチップを渡すのが
悪しき慣例です。



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