遺体は日本に運べるのか?


結論からいえば可能です。ただし現実にはどうでしょうか?海外傷害保険にでも入っているのならともかく、個人で
これを行おうとすれば大変な手間と時間と費用がかかります。ですから保険に入っていても、現地での火葬を勧め
られることも多いです。

それでここでの一番のネックは費用です。フィリピンからの場合ですと、成田までの運賃は100万円近くになります。
しかも国際貨物運送約款という取り決めで、遺体を国際空輸する際には料金は完全前払いになります。現地で
100万円用意できなければ、遺体を日本には持ち帰れません。しかしクレジットカードは使えますので、検討の余地
のある選択肢ではあります。


必要書類と手続き

1 死亡証明書  死亡地の役所でもらったものですね。これは4通複写でくれますので1通使いましょう

2 遺体移送許可証  これがまた厳しい規定があるので、マニラ国際空港経由、成田国際空港経由、最終到着地
               東京都千代田区 といったように、ポイント箇所はすべて書いておいたほうが良いです。
               ちなみに成田空港のことをいまだに「新東京国際空港」だと思っている人がいますが、
               2004年から「成田国際空港」が正式名称ですよ。間違えるとまた死亡地の役所に戻ることに
               なるので気をつけて。これも死亡証明書と同じく、死亡地の役所で発行されますが、保健所
               で発行されることもあります。要確認です。

3 防腐処理証明書   フィリピンの場合だと、死亡証明書の裏に証明欄があって、そこに葬儀社のサインがあれば
               OKです。「エンバーマー(CERTIFICATION OF EMBALMER)」というのがそれですね

4 領事館へ届出     遺体は貨物扱いになりますので、帰国ではありません。よって故人のパスポートに、無効
                (VOID)の穴を開けてもらって使えなくしてください。そして遺体の本国送還許可をもらいま
                す。

5 非伝染性証書     これは保健所でもらう証明書です。フィリピンでは役所によって、専用の証明書を発行する
                自治体と、遺体移送許可証の文面の中に「普通の病死」という文言を入れて、非伝染性証
                書と兼用にしている自治体があります。また葬儀社が防腐処理証明と併せて記入してくれ
                ることもあります。それでも有効です。

6 事前審査申請     これは日本でスムーズに遺体引取りができるように、日本側でする申請です。この申請を
                することにより、緊急貨物扱いになりスムーズに日本到着後に遺体を引き取ることができ
                ます。保険会社で代行手続きをやってくれますが、保険の無い方は大使館に相談されると
                助言を受けられます。

7 空輸棺送還許可証  遺体を空輸する場合は、鉛でできた上にはんだ付けされている空輸棺という特別な棺に
                遺体をいれなければいけません。これも本国送還許可をもらうときに併せて大使館・領事館
                から許可をもらいます。そして空輸棺の中に遺体以外のものが入っていないか、大使館
                職員の立会い確認も必要です。


以上の書類や手続きが必要になります。あとは日本に到着後に、日本の葬儀社にお願いすれば良いでしょう。


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